噫我愛する同胞よ 伝統これに三千年

惑溺魔風地を埋め 妖雲更に天を薮う


独断暴戻ルイ皇帝 今尚我は仰ぐかな

ストレ一シブの同胞よ 鉄鞭高く唸る下


朔北の風荒ぶとき 尚も汝は迷うなり

江東天に漲りて 黎明の鐘響くなり


白皚々のシベリアの オロラの下に呻きける

荒原の驢馬早醒めぬ 見よモスクワの十字街


呪文の炎天を衝き ロマノフ王朝早や何処

噫我が愛する兄弟よ 知るや朔風声あるを


此の段々の熱血を さらで何時かは失すべき

日比谷原頭紅の 革命の旗翻り


見よ北闕は炎上し 灰燼散りて跡もなし

世は永久の秋にして 我革命を思うかな


流星一度西に飛び 秋水去りて十余年

断頭台上血のしぶき 今わの様を思うとき

反逆の血はたぎるかな 我は歌わん革命歌


赤旗一度破れては 同志空しく露と消え

再び街に叫びては 我は捕わる断頭台


噫生命の断末魔 我佇まん追憶に

家郷を出でて十余年 ああ追憶は悲しけれ


赤旗再び破れては 船を浮かべて雲幾重

反逆の児等語らいで 我は走りぬステップの


森にユ一クの角抱き オロラの下に我泣かん

ヤスナヤポリアナの夕まぐれ 聖者の墓にひざまずき


我は捧げぬ革命旗 我は歌いぬ革命歌

迷羊未だ醒めずして 二度赤旗かざす時


朔北未だ消えざるに あわれ捕わる革命児

断頭台上今立ちて 我は悟りぬ命なりと


ああ父母よいざさらば わが恋人よいざさらば

今また何をか云いつらん 只民衆よ迷羊よ


今飛び散らん血のしぶき 焔となりて地を焼

かんやがて文化の花園に 紅燃ゆるバラの花

革命の児よいざさらば 我は行かなんュ一トピア