空が降る

空が降ってくる夢を見た

落ちない血に　なんども温かい水をあてて
それでも流れないから

ことばだけが　すべて溶け出して、排水溝に詰まる

そうしてもう、きみは　きみ自身を許せなくなっている　許せないでいる

　

＊

　

夢を見た

出来損ないの神様

かのじょは笑って　ぼくの首を絞めた

　
いつだって、そう

痛みににぶい人間だけが　ぼくを傷付ける

かのじょはたしかに僕を愛していた
ただ愛し方までは知らなかった

白痴の神様

異常に発達し、肌をつきやぶる神経たち

いっせいに歌いだす

だれかが遠くで笑った　それはもはや、ぼくの声ではない

脳が透けて　みえないものは　もうなにもない

　
わからないことがわかって、きみは死ね

　

＊

　

空が降ってくる夢を見た

市松模様の空

押しつぶされて、ぼくは死んだ

　
そう、ぼくが望んだ