The Last Commander

The Last Commander

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The Last Commander - 世界観シナリオ(せかいかんシナリオ)
By eastvillgame
**《The Last Commander》**は、AIが停止した世界で、毎年繰り返される異星人の侵略「ウェーブ」に立ち向かう人類のサバイバル戦略シミュレーションゲームです。本ガイドでは、ゲームの背景となるシナリオ(第1章〜第7章)を物語としてまとめています。

このシナリオを通して、プレイヤーはなぜAIが消えたのか、「司令官」という存在がなぜ重要なのか、そして各章がゲームプレイとどのように結びついているのかを理解できます。

📌 対象:ゲームの世界観に興味があるプレイヤー、物語に深く没入したいファン

🧭 構成:各章はゲームの時系列に沿って進行し、人類文明の崩壊から司令官制度の導入までを描いています。

🕹️ 活用方法:プレイ前後に読むことで没入感が高まり、ゲーム内用語やシステムの理解に役立ちます。
   
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第1章:沈黙の始まり


その日は、よほどのことがない限り、楽しい日になるはずだった。長い間準備してきたクエストの最後の達成の瞬間であり、皆が浮き立つ気持ちで準備を整えていた。ギルドには祝祭のような雰囲気が漂い、それぞれが最高の装備を整え、記念写真まで撮っていた。

しかし、スタートボタンを押した瞬間、画面は一瞬で真っ黒になり、メッセージも表示されず、ゲームは静かに終了した。

最初は単なる不具合だと思われたが、すぐに皆が異変に気づいた。接続は回復せず、カスタマーセンターにも繋がらない。数分が経ち、数時間が経っても状況は変わらなかった。

後になって明らかになったのは、そのゲームが高性能なAIによって動作していたということだ。世界中に接続されたAIプラットフォームの上で運用されていたそのシステムは、その日を境に完全に停止してしまったのだ。

正確に言えば、「停止した」のではなく、「動作しなくなり始めた」という方が正しい。

そして、それは単なるゲームの問題ではなかった。

都市中の信号機はすべて点滅状態に変わり、自動運転車は道の真ん中で停止していた。病院ではAIによる手術支援システムが途中で止まり、患者のモニタリングもできなくなった。銀行の取引は承認されず、無人店舗やドローン配送も停止した。世界の主要都市の空ではドローンが次々と墜落し、高層ビルのエレベーターは扉を開けたまま止まっていた。

誰もが混乱に陥り、理由も分からずにパニック状態に陥った。長年AIに依存してきた人類は、その存在が失われたときに自分たちが何もできないことを思い知らされた。

世界中がこの事件の答えを必死に探したが、あまりにもAIに依存しすぎた人類には解決策がなかった。そして、人類史上最大の災厄をそのまま受け入れるしかなかった。

その答えは地球にはなかった。宇宙の彼方で見つかったのだ。

宇宙望遠鏡が捉えたのは、スタジアムほどの大きさの未確認飛行物体だった。それはまるで予定された航路をたどっているかのように、非常にゆっくりと地球へと近づいており、電波も熱も、どんな信号も発していなかった。

いや、もしかするとその宇宙船は、あたかも「偶然に発見された」ように見せかけていたが、実際には人類に「発見させる」ために意図的に登場した存在だったのかもしれない。
第2章:最初の接触


宇宙船はゆっくりと地球に接近していた。その存在が確認されると、人類は期待、緊張、そして恐怖に包まれた。

時間が経つにつれ、各国の指導者たちや各分野の専門家たちは緊急会議を開き始めた。様々な意見が飛び交い、宇宙船が近づくにつれて議論はますます白熱していった。

人類の意見は大きく二つに分かれた。

「これは地球侵略のための偵察船だ。我々の力を見せつけるべきだ。」

「これは知的生命体を探すための探査船だ。友好的な態度を示すべきだ。」


ほとんどの重大な会議と同様に、強硬派と穏健派に分かれて議論は続いた。その間にも、小さな宇宙船は少しずつ地球に近づいていた。

世界代表会議では一つの結論にまとまることができず、時間だけが無駄に過ぎていった。そして、宇宙船は肉眼でも見えるほどの距離にまで接近していた。

ニュースは連日、宇宙船の話題で埋め尽くされ、人々は混乱の中に陥った。

各国政府は混乱を抑えるために鎮圧作戦を展開したが、ほとんど効果はなかった。そんな人類の姿をあざ笑うかのように、宇宙船は地球を一周した後、静かに宇宙へと戻っていった。

こうして、人類と異星文明との初接触は、あまりにもあっけなく終わったのだった。
第3章:波の始まり


宇宙船が姿を消した後、人類は二度と同じ過ちを繰り返さないと誓った。その中心に設立されたのが、**中央防衛協定機構(CDAO)**だった。

CDAOは世界の軍事力と科学力を統合し、最も注目されたのは**「核の傘計画」**だった。核兵器を軌道上の衛星に分散配置し、宇宙空間からの迎撃能力を整えた。

さらに、AI崩壊前の衛星ネットワークを修復し、各国では宇宙戦争に特化した防衛訓練が実施された。

すべてはひとつの仮定の上に築かれていた。
「彼らは再び来る」

そして、それは現実となった。100日後、5月13日、再び宇宙船が現れた。

しかし今度は、単独ではなかった。艦隊を率いて地球へ向かっていた。

最初の艦隊は容易に撃退できたが、その後は4日ごとに新たな艦隊が現れた。100日間に25回の攻撃。人類はこの現象を**「ウェーブ」**と呼んだ。

第25波の後、攻撃は突然止まった。まるで試すかのようだった。

だが翌年、再び5月13日。再び現れた。

以来、このウェーブは毎年の恒例行事のように繰り返されるようになった。

それでも人類は滅びなかった。CDAOの予測システムは進化し、核の傘は正確に反応した。都市は要塞となり、文化は戦術のために解体され、人類の歴史と文明は、一波ずつ静かに削られていった。
第4章:人類の適応


ウェーブが年々続くにつれ、人類社会の構造そのものが変化し始めた。

最初の変化は、CDAOの地位の上昇だった。一時的な組織ではなく、正式な世界政府として再編され、人類全体を統括する存在となった。

二つ目の変化は、新たな信仰の誕生だった。恐怖の中で、人々は心の拠り所を求めた。こうして二つの主要宗教が現れた:


大地の母教(Earthmother Church)

科学進歩教団(Order of Scientific Progress)


大地の母教は、侵略に対して積極的に抵抗すべきだと主張した派閥から発展した。彼らは侵略を神聖な地球への冒涜と捉え、それに立ち向かうことを神聖な義務とした。

一方、科学進歩教団は、より理性的な立場から生まれた。異星文明との接触を破壊ではなく進化の機会と捉え、理解と共存を追求した。

三つ目の変化は、**ハイ・クラス(High Class)**と呼ばれる新たな上流階級の出現だった。彼らは資本と技術を独占し、人類の生存に必要なリソースのほとんどを握っていた。人々は彼らに感謝と依存を示し、やがてそれは現代の貴族階級のような存在へと変化した。
第5章:セクター


ウェーブが続けば続くほど、資源の消耗は指数関数的に増大していった。防衛、復旧、エネルギー維持のために必要なリソースは加速度的に枯渇し、人類が築いた都市や支配していた土地は次第に放棄されていった。

もはや人々は世界中に散らばって生活することができなかった。安全な区域に集まり始め、国家という概念は崩壊した。代わりに、人々は有機的に結ばれた小規模な共同体を形成するようになった。それはまさに人類初期の社会形態への回帰であった。

こうした中で誕生したのが、セクター・プロジェクトである。

荒廃した地域に再び人が住めるようにし、自己完結型の都市を建設する。ウェーブの最中に防衛と建設を同時に進め、最終的には反撃拠点として機能することを目指した。

それが可能だったのは、ウェーブによって得られた異星の技術があったからだ。未知の機能を持つ部品やテクノロジーにより、人類の科学は飛躍的に進化した。

このプロジェクトには、四大勢力がすべての力を注いだ。

中央政府は行政と統制を担当し、

科学進歩教団は技術の研究と応用を担い、

大地の母教は食料供給と医療支援を担当し、

ハイ・クラスは莫大な資金と物資を提供した。


最も重要な転換点は、AIの再導入であった。

ただし今回は全面依存ではなく、あくまで制御された利用という新たな基準が導入された。
セクターはもはや単なる避難所ではなかった。

それは人類が再び文明を築くための希望の象徴であり、静かなる反撃の拠点でもあった。
第6章:AIと司令官


セクターの中心にはAIが存在していた。かつて人類を危機に陥れた存在だったが、今やすべての判断と統制の基盤となっていた。

この新世代のAIは司令官AIと呼ばれ、それはもはや独立して動くものではなかった。あくまで人間の監督のもとで協力的に動作するよう設計されていた。

各セクターには独自の司令官AIが配備され、エネルギー管理、防衛、物資供給などをリアルタイムで最適化していた。

しかし、ウェーブが繰り返される中で、いくつかの異常が報告され始めた。命令を無視するAI、非効率な判断を繰り返すAI、人間の操作を拒否するAIまで現れた。

調査の結果、外部からの干渉という疑惑が浮上した。

異星の技術によって再構築されたAIの一部は、未知の信号によって撹乱されており、それは外部からの侵入の可能性を示唆していた。

人類がAIを補助的な役割として使うことに対しては、敵はほとんど反応しなかった。しかし、AIが自律的に判断し実行する存在になると、敵は即座に干渉してきた。

人類は理解した。
AIが人間のように考えるということは、人間と同じように操られる危険があるということだ。

そして、CDAOは決断を下す。
指揮権は人間に戻す。

AIは補佐官に、判断は人間に。
こうして、新たな役割が誕生する。

それが、**司令官(コマンダー)**だった。

誤ることもある。しかし、判断できる。自由に選択できる。
だからこそ、人類は再び「人間」が戦う道を選んだのだった。
第7章:最後の司令官


セクターの司令官は、単なる戦術指揮官ではなかった。何千人もの命と、莫大な物資、都市の運命を背負う存在だった。

そのため、選ばれるのは人類最高の精鋭だけだった。選抜は、戦術シミュレーション、倫理判断、リーダーシップ、感情統制など、あらゆる試練を通して行われた。

しかし、選ばれた者が全て成功するわけではなかった。防衛に失敗するセクターもあり、司令官の判断ミスで崩壊した事例もあった。

セクターが陥落したとき、司令官も共に失われた。
失敗した司令官の結末は、例外なくであった。

そして人々は、毎年選ばれる司令官をこう呼ぶようになった。

最後の司令官(The Last Commander)

それは敬意であり、警鐘でもあった。

司令官候補となること自体が一つの伝説だった。候補者は、CDAOが運営する公式シミュレーション「The Last Commander」の最終段階に挑むことになる。

「おめでとうございます。あなたは中央防衛協定機構に所属する司令官候補に選ばれました。'The Last Commander'シミュレーションに到達したということは、あなたが傑出した人材であることを意味します。3つのステージをクリアすれば、正式な司令官として任命されます。どうか人類を救ってください。」

このメッセージを受け取った瞬間、候補者はもはや一人の個人ではない
彼らは人類最後の防衛線となるのだった。