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Posted: 4 Jan, 2021 @ 4:16pm
Updated: 5 Jan, 2021 @ 6:28pm

米は私たちの魂であり、力だった。

2020年後期に話題となったインディーゲーム。
Switchでも発売されたこともあり、爆発的な人気作品となった。

強くなるためにするのはレベル上げじゃない
田を耕し、苗を植え、肥料をやる。
稲を育てて、美味しいお米を作るのだ。
米作りで強くなる”のは、この作品にしかない独特なコンセプトだろう。

日本人ならば日常的に食べているであろう"お米"。でもその作り方については、ざっくりと分かっているだけで、実際に触れているのは極少数ではないだろうか。田植え、刈り取り、脱穀、精米――我々の生活に馴染み深いお米の全てを、このゲームでは体験できる。

『米作りに関してはド素人なんでさぁ』という人も安心して欲しい。『この時期には水を抜く』、『この時期になったら刈り取る』というのは、人に話しかけたり稲の状態を見ることで、親切に教えてくれるシステムになっている。ぶっちゃけそこまで調べなくても、雑草を忘れず取り除いたり、マメに指示に従って稲の世話をしていけば、普通にクリアする上では全く問題が無い。病気や虫害に関しても、殆ど対策しなくても米はできるし。

アクション面は慣れるまでが少し大変かもしれない。敵からのダメージが割と大きかったのと、回復が基本的には自然回復頼りなので、油断しているとバンバンと死ぬ。マップ切り替え時にオートセーブなので、そこからやり直せるだけ良心的だけども、せめて回復アイテムがあっても良かったように思う。それでも、慣れると羽衣での立ち回りや必殺技で敵を吹き飛ばしたりと、爽快なプレイを楽しめるようになっている。

サクナヒメの基礎ステータスの向上のタイミングは、稲を刈り取り精米したとき。つまりは一年(各季節で3日、全12日)で一度なので、育成に集中しようと思ったら少しスパンが長い。せっかちな人だと、少し億劫に感じるかも。

ただ、成長のスピードと物語の進行度については、丁度いいものだったように思える。ゆっくりと稲と向き合っておいしいお米を作ることに集中していたら、クリアまではあっと言う間だった。話題になった割には、ストーリーについてはあまり触れられない印象だったけれど、それぞれのキャラクターが物語を通して成長していく様を見れたのはとても良かった。

文句なしにお勧めです。最初は大変かもしれないが、丹精込めて作り上げた米は私たちを裏切らないのだ。
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